第5支社:タウングー(Toungoo)

1.概要
※ヤンゴンーマンダレー線は別ページにまとめます。

タウングー支社はヤンゴンーマンダレー線の他、複数の支線を管轄している。
現在は管内に位置する首都ネピドーの印象が強い本地区は、
古くから旧王朝都市タウングーや、製糖工場と鉱山への支線の拠点となるピンマナを擁する主要拠点の一つであった。
 
ラングーンからタウングーまでの鉄道が開通したのは1885年、その4年後に路線はマンダレーまで延伸された。
1930年にピンマナからタウンドゥインジーTaungdwingyiへの支線が建設された。
この支線は内陸部との物資・旅客の輸送に活用され、その後もチャウッパダウン〜チーニ〜チャウッや、サトワ〜ピィ、チャウッパンダウン〜バガンなど各方面へ鉄道路線が延長されている。
上記方面へはネピドーあるいはピンマナから列車が直通している。
いずれも半日かけて走破するものであるが、内陸部の山脈を越える線形であるためか、東西方向の利用客は多く、車内は混みあう。

コロナ禍と政変を経た後も、タウンドゥィンジー〜ピンマナ間の運行は続けられている。

2000年代に入り、ピョーブエPyawbweからの支線建設が進められた。
西方へはPyawbwe-Natmauk-Magway Railway Projectとして、ナッマウNatmaukと同市内西側の新駅への延伸が完了し、直通列車と区間列車の計二往復が運行されていた。
北東方向へはカロー地区への短絡線が建設され、ヤンゴン〜シュエニャウン〜ヤッサウの9Up/141Up・10Dn/142Dn(※現在は運行形態が異なっている)が本路線を経由していたこともあった。
こちらについては、現在は定期列車は運行されていない。
なお、タッコンTatkon - シンテSinteから北東方向へ、Nay Pyi Taw-Tatkon-Pinlaung Railway Project(カローを経由せずにロイコー方面へ向かう短絡線)が実施されたこともあった。
しかし山脈の手前で建設は止まったままとなっている。

2006年のネピドー遷都後に、同都市を拠点とした列車の放射状の増発・短絡線の建設が実施された。
ネピドーからヤンゴン・マンダレーはもちろん、ミンジャン・バガン・ピィ・モーラミャイン・カロー地区とを直通する運行体系への変化が見られた。
なお、マンダレーとミンジャンについては高速道路と競合しており、旅客が伸び悩んだためか現在はネピドー止まり/直通の列車は運行されていない。

主要機関区はタウングー(TGO)とピンマナ(PMA)である。
内陸部への支線列車はPMA,タウングー発着の列車はTGOが担当する。
ピンマナ駅から北に二駅目のネピドー駅構内にもPMAの車庫があり、付近には機関車製造工場も稼働中。
2018年後半より、大連製機関車と同型の2000馬力級機関車の製造が行われた。
2022年現在、1200馬力のディーゼル機関車の製造が行われている模様。

ネピドー駅にはMR本部があり、各種史料が展示されている会議室棟も構内に建設されている。
2021年以降ネピドー駅構内に鉄道博物館を建設するプロジェクトが立ち上がっており、先行して各地の機関区で保管されていた蒸気機関車複数機が外部展示されている。

2.開通時期
1889/3/1 Toungoo - Mandalay 
1930/7/17 Pyinmana - Kyaukpadaung
1999/4/9 Pyawbwe ?Yanaung
2008/11/30 Pyawbwe - Phayangasu (カロー方面への短絡線)
2010/1/16 Yanaung - ywataw
(2013/3/13 Ywataw-Natmauk Division 11)
? Sinte - Ye (Nay Pyi Taw-Tatkon-Pinlaung Railway Projectの一部)

3.列車
※ヤンゴン‐マンダレー線の長距離列車は別ページにまとめます。
・2022年現在運行再開が報じられている列車
Pyinmana - Taungdwingyi 1往復

・2020年3月まで運行されていた列車
ヤンゴンーマンダレー線の区間列車
21UP Toungoo - Thazi RBE列車(隔日運行、2019年9月30日までは混合列車)
22DN Thazi - Toungoo RBE列車(隔日運行、2019年9月30日までは混合列車)
507UP Pyinmana - Tatkon RBE列車
508DN Tatkon - Pyinmana RBE列車
509UP Pyinmana - Tatkon RBE列車
510DN Tatkon - Pyinmana RBE列車
511UP Pyawbwe - Thazi RBE列車(車両はThazi所属)

512DN Thazi - Pyawbwe RBE列車(車両はThazi所属)

Sat Thwar方面の列車
101UP NayPyiTaw - Chauk 客車列車
102DN Chauk - NayPyiTaw 客車列車
103UP Pyinmana - Taungdwingyi 客車列車
104DN Taungdwingyi - Pyinmana 客車列車
107UP Naypyitaw - Taungdwingyi RBE列車※TaungdwingyiにてBagan行へ接続
108DN Taungdwingyi - NayPyiTaw RBE列車※TaungdwingyiにてBaganからの列車に接続
109UP NayPyiTaw - Pyay RBE列車
110DN Pyay - NayPyiTaw RBE列車 

Pyawbwe - Natmauk - Magway Railroadの列車
※2019年9月頃より、水害復旧工事のためNatmauk(New)- Ywataw間(Pyawbwe1/2)のみの運行となっております。
Pyawbwe1 Natmauk(New)- Lebu - Pyawbwe RBE列車 
Pyawbwe2 Pyawbwe - Lebu - Natmauk(New) RBE列車
Pyawbwe3 Lebu - Pyawbwe RBE列車
Pyawbwe4 Pyawbwe - Lebu RBE列車

4.施設・沿線風景

 

ネピドー駅。

IMGP1926

ネピドー駅エントランスには、ミャンマーで一番最初に導入された蒸気機関車A01号が展示されている。
なお、同機はネピドー遷都前はインセイン工場にて保存されていた。

IMGP7122

広大な車両基地の設置も想定されていたのか、ネピドー駅の敷地は広く、PMAの在籍車輌の一部はネピドー側の側線に留置される事もある(2014年撮影)。
左奥にも車庫が設置されており、現在はその右側に機関車工場が建設されている。

ネピドー駅北側にある車庫。PMA区所属のRBEの一部が留置されている。
RBE2583

ピンマナ駅で出発の時を待つ509UP.

ヤンゴンーマンダレー線と、Sat Thwar方面との分岐地点。

タウングー駅南側の機関区前には、蒸気機関車M364号が静態保存されている。車窓東側に注目しよう。

RBE2543&RBE5045

Division5と11の境界駅となるユワトー(ナッマウ)にて交換する、Pyawbwe3(左)と2(右)。

Sat Thwar方面

Wintegu駅。

ヤンゴン・マンダレーの高速道路をくぐる。
Thitpokepin駅には謎の支線跡がある。Google mapで確認しても、この先にはパゴダがあるのみである。
Thitpokepin駅。
チャウッパダウン駅構内で見られるような竹材が集積されている駅も存在する。
沿線では家畜の移動も見られる。

 

<参考資料>
・ミャンマー国鉄公式サイト(路線開業日一覧)


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