第2支社:ヤタウン(Ywa-Hataung)

 

1.概要
 ヤタウン支社はサガイン管区の路線を管轄している。 
当支社はマンダレー・ミッチーナー線を中心に、複数の支線を有している。

 ナバ駅からは、エーヤワディー川沿岸の町カタへの支線が伸びている。
2018年現在、こちらの支線は一日一往復が運行されている。
ナバ駅から分岐すると、緑豊かな勾配区間に入る。
カタ市内には南北に駅があり、先に開業した方はカタ(南)駅と表記されている。

 カタ南駅から北駅へ回り、チャウッチー方面へ向かう路線はKatha-Bamo Railroad Projectとして整備が進められている鉄道線の一部に当たる。
2016年までにエーヤワディー川を越えた直後のSinkamまで延伸された。
列車はMotagyiないしKyaukkyiまでの運行で、RBE(元名鉄キハ30)単行ないし増結のRBT800を1両の編成だった。
衛星写真からは、途中撮影時期の都合上途切れ途切れにはなっているものの、バモーまでの用地の取得はほぼ完了している事が確認できる。
なお、2017年ごろから当路線は運休となっている。

 路線図をご覧のとおり、Khin-U〜モンユワ〜ヤタウンの各所は環状に結ばれている。しかし環状に運行される列車は無く、複数個所で分断される。
ミッチーナー方面の路線の次に開通した区間は、ヤタウン〜モンユワ〜アロンの支線だ。その後この支線はYe-Uまで延伸された。
2000年に入り、この支線はKhin-Uと接続が取られ、環状のような鉄道線が構築された。
モンユワを中心に、北側はKhin-U〜モンユワの列車、南側はマンダレー〜モンユワの直通列車が運行されている。
また、2016年までは北側はYe-U西側のTindeinyan発着の区間列車も運行されていた。2018年現在、Tindeinyan〜Khin-Uの209UP/210DNが運行されている。
モンユワ郊外にある仏教施設群ボディタタウンへ向かう支線は2010年に開業した。一日一往復がモンユワ北側のアロンとを結んでいる。
モンユワからはDivision10の中心であるパコックへの直通列車も運行されている。こちらはChaung-Uからマンダレー方面と分岐し、
チンドウィン川を渡ってパコックへ向かう。
かつてはマンダレー〜パコックの135UP/136DNもこの支線を通っていたが、当列車は2017年以降運休となっている。

2021年2月の政変以降、諸般の事情により上記区間の列車の運行が全て停止されている。2023年2月現在、列車の運行再開は確認されていない。

 主要機関区はコーリン(KWLN)である。 
同機関区はマンダレー-ミッチーナー線の区間列車を中心に担当している。
在籍する機関車の多くは液体式ディーゼル機関車で、この他に区間列車用のRBEも配置されている。
モンユワ方面のRBEは、同区には常駐せず、基本的に終点で留置される。
マンダレー〜コーリンの53UP/54DNは、2018年のある時期まではマンダレー機関区と共同運行で、両区がキハ40系の編成を保有していた。
現在は同列車に用いられる車両は全てKWLN持ちである。
また、ヤタウンにはディーゼル機関車工場(YUG)が操業している。
同工場はインセイン工場と並ぶMRの主要機関車工場で、特に1990年代から2000年代前半にかけては、LRBEをはじめとするレールバスや、保線用事業用車など、多数の鉄道車両の製作も実施された。
ここでは液体式ディーゼル機関車を中心に、アルストム製の古参機なども整備を受けている。

 

2.開通時期  
1891/7/1 Sagaing - Shwebo
1891/11/22 Myohaung - Amalapla
1892/4/4 Shwebo - Wuntho
1894/11/1 Wuntho - Nankan
1895/10/2 Naba - Katha
1895/10/21 Nankan - Mohnyin
1900/4/15 Ywa-Htaung - Alon
1922/7/1 Alon - Budalin
1923/6/10 Budalin - Segyi
1926/7/1 Segyi - Ye-U 
2000/4/9 Ye-U - Khin-U
2010/1/2 Aungta - Bawditataung
2010/2/10 Katha - Motagyi 
2014/2/17 Motagyi - ChaungWa - Kyaukkyi 

3.列車 ※2021年2月以降全列車運休中
※マンダレー‐ミッチーナー線を全線通しで運行される列車は別ページにまとめます。
※特記なき列車は全てKWLN担当。
・運行中(2018年9月現在)
45UP Ywa-Htaung - Kawlin 客車列車
46DN Kawlin - Ywa-Htaung 客車列車
47UP Mandalay - Ywa-Htaung - Naba 客車列車
48DN Naba - Ywa-Htaung - Mandalay 客車列車
53UP Mandalay - Ywa-Htaung - Kawlin RBE列車(急行)
54DN Kawlin - Ywa-Htaung - Mandalay RBE列車(急行)
215UP Mandalay - Ywa-Htaung - Khin-U RBE列車
216DN Khin-U - Ywa-Htaung - Mandalay RBE列車
243UP Kawlin - Naba 貨物列車
244DN Naba - Kawlin 貨物列車
Kawlin1 Kawlin - Nankan RBE列車
Kawlin2 Nankan - Kawlin RBE列車

51UP Naba - Katha 客車列車(MOYN担当)
52DN Katha - Naba 客車列車(MOYN担当)

59UP Monywa - Tindeinyan - Khin-U 客車列車
60DN Khin-U - Tindeinyan - Monywa 客車列車
209UP Tindeinyan - Khin-U - Shwebo RBE列車
210DN  Shwebo - Khin-U - Tindeinyan RBE列車
Monywa1UP Alon - Monywa - Bawditataung RBE列車
Monywa2DN  Bawditataung - Monywa - Alon RBE列車
123UP Mandalay - Ywa-Htaung - Monywa RBE列車 (Mail)
124DN Monywa - Ywa-Htaung - Mandalay RBE列車  (Mail)
 (122DN) - 125UP (Pakkoku -) Chaung-U - Monywa ※通し運転、客車列車(PKU担当)
126DN - (121UP) Monywa - Chaung-U (- Pakkoku) ※通し運転、客車列車(PKU担当)


・現在は運行されていない列車
旧53UP Naba - Katha 客車列車
旧54DN Katha - Naba 客車列車
Katha1 Kyaukkyi - Katha RBE列車
Katha2 Katha - Kyaukkyi RBE列車

217UP Monywa - Tindeinyan カーヤター(DMU)(〜2016年7月)
218DN Tindeinyan - Monywa カーヤター(DMU)(〜2016年7月)
ボディタタウン支線の一往復(かつては1UP~4DN)
135UP Mandalay - Ywa-Htaung - Pakkoku 混合列車?→RBE列車 
136DN Pakkoku - Ywa-Htaung - Mandalay 混合列車?→RBE列車 

4.施設・沿線風景

マンダレー〜ミッチーナー線
ミョハン駅からミッチーナー方面へ分岐する。エーヤワディー川橋梁までの区間にも、バラストの積み下ろしが行われる駅が設けられている。
マンダレーとサガインの間を流れるエーヤワディー川には、二本の橋梁が架けられている。鉄道が走る橋梁は1954年に道路併用橋として復旧されたもの。画像は東側に新たに架けられた自動車専用の大橋梁。
エーヤワディ川沿岸のサガイン側には、貨物用の支線が敷設されている。
ヤタウン駅構内。多数の貨車が留置されている。
ヤタウンを発車してしばらくすると、Yekar湖の近くを走行する。
早朝のKhin-U駅。
夜のナバ駅で、列車を待つ人々。
ナバ駅到着後に入換作業中の機関車。

ナバ〜カタ線
カタ南駅にて出発の時を待つ52DN.路線の管轄はコーリンだが、運行は第1支社のモニン機関区が担当する。
カタとナバの間は緑豊かな勾配区間で、道路も乾季は涸川を渡る個所も存在する。

ヤタウン〜モンユワ〜Khin-U
Khin-Uからモンユワへ向かう60DNは朝の5時に出発する。乾季はYe-Uを越えたあたりでようやく太陽が顔を出す。
朝もやの中を、ヤシの木々を遠くに見ながら進む。
Thinteinyan駅はかつてはカーヤターのターミナルだった。構内には付随の客車が何両か留置されており、ターンテーブルも設置されている。
ブダリン駅。
ブダリン駅からAlonまでの区間には、ヒマワリ畑が点在している。
モンユワ駅。市内中心部から近い位置にある。
モンユワ駅構内にて。124DN
モンユワ駅周辺には、雨季には水没してしまう休耕田が多クみられる。
Chaung-U駅構内。ここでパコック方面と分岐する。
サガイン管区の沿線にはヤシの木々が多い。
2018年現在この区間(Chaung-U~Ywa-Htaung)は定期列車が一日一往復しか走らない。そのため沿線は雑草が生い茂っている。

<参考資料>
・ミャンマー国鉄旧公式サイト(路線開業日一覧)
・『鉄道百年史』(ビルマ語文献)


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