第10支社:パコック(Pakkoku)

1.概要
パコック支社はチンドウィン川西岸・マグウェ管区北部の地域を担当している。
チャンウー(Chaung-U)からパコック、ヂョー(Kyaw)、ガンゴー(Gangaw)、そしてカレー(Kalay)へと至る路線、
チャンギンーパコック線(Kyangin - Pakkoku Railroad Section)北部の開通区間であるパコックーセヒュー(Seikpyu)間、
そしてエーヤワディー川に架かる大橋梁を越えてバガンやミンジャン方面へと至る鉄道線の一部が本支社に所属する。

パコック地区の開業は1993年12月12日のPakokku- Minywa間と、MR全体の歴史の中では新しい。
本地区はマンダレーからChaung-Uとパコックを経由し、ガンゴーやカレーミョへ至る鉄道路線(Chaung-U - Kalay Railroad Section)を擁しており、
パコックとカレーミョ、そしてChaung-Uの3か所から少しずつ敷設が進められてきた。
1999年にチンドウィン川を渡るSin Phyu Shin橋梁が完成し、パコック側がマンダレー・モンユワ方面と接続された。
カレーミョ側は特にガンゴーとヂョー間の建設に時間を要していたが、2007年初頭にようやくPonnya Taungトンネルによって結ばれた。
残念ながら(マンダレー〜)パコック〜ガンゴー〜カレーミョの都市が鉄道線で一つながりになっていた時期は短く、
2010年7月5日には災害によってガンゴー〜ヂョー(正確にはKyaw-Yaymyetni)間は運休となってしまった(後に復旧断念が議会で決定)。
しかしカレーミョ地区やZebyar〜パコック間の需要は決して低くないようで、峠を行き来する列車には席の大半が埋まるほどの乗車がある。
また、カレー〜ガンゴー間は2015年雨季に水害に遭ったが、少しずつ復旧が進められている。
カレー〜ナッチャウン間は2017年12月20日より約2か月間、線路補修のため運休した。
復旧後は、カレー〜ガンゴー間1往復の運行となっている。

パコック以南のセヒューへと向かう路線は、南側が交通の便の悪い荒野となっており、セヒュー側の利用者が多い。
車窓東側にはバガンの遺跡群、西側には石油採掘場が見られるのが特色である。
途中のTantkyi Hill駅付近には有名なパゴダがあり、8月の満月の時期の仏教の祭典開催時には、臨時列車が運行される事もある。

2011年末にはパコック市にエーヤワディー川を渡る大橋梁が完成し、バガン側とも陸路の接続が取られた。
ヤンゴンとネピドーからバガンへの急行列車も本橋梁を通り、パコックまで延長運転を行った(ヤンゴン方面からの61UP/62DNの延長運転は、2018年現在は行われていない)。

コロナ禍と政変により、当地区の列車も大半が運休となった。2022年時点で正式に運行再開が確認できる列車は存在しない。

主要機関区はパコック(PKU)とカレー(KLY)で、いずれも高出力の機関車が数両在籍している。
またPKUにはセフューとタウンドインジー方面用のRBEが、KLYにはカレーミョ側の区間列車用にレールバス(LRBE, D1B)が在籍している。

2.開通時期
(1993/10/30 Chaung-U - Taw Kyaungyi ※ここまでの区間はDivision2)
1993/12/12 Pakokku- Minywa 
1994/11/13 Pakokku-Myaing-Myosoe 
1995/3/18 Myosoe-Zebya 
1995/4/23 Kalay Natchaung 
1996/2/5 Natchaung-Gangaw
1997/4/9 Zebyar - Kyaw
1997/7/17 Gangaw ? Yaymyetni
1999/9/18 Sin Phyu Shin Bridge approach (East/West) 
2007/1/27 Kyaw-Yaymyetni
2009/11/20 Pakhokku - Kyungchaung
2010/6/12 Yawchaung - Seikphu
2010/10/9 Seikphu - Sinphukyun
2011/2/26 Kyunchaung - Daungtha
2011/12/31 Ayeyarwaddy Bridge (Pakokku)approach

3.列車 ※2022年時点で全列車運休中
・運行中(2017年12月現在)
107UP Taungdwingyi - Bagan - Pakkoku ※Naypyitawから乗り換え可能、RBE列車
108DN Pakkoku - Bagan -Taungdwingyi ※Taungdwingyi以南は乗り換え、RBE列車
(126DN-)121UP (Monywa -) Chaung-U - Pakkoku ※通し運転、混合列車
122DN - 125UP Pakkoku - Chaung-U (- Monywa) ※通し運転、混合列車
127UP Kyungchaung - Pakkoku RBE列車
128DN Pakkoku - Kyungchaung RBE列車
129UP Pakkoku - Kyaw 客車列車
130DN Kyaw - Pakkoku 客車列車
Seikpyu1 Seikpyu - Kyunchaung - Pakkoku RBE列車
Seikpyu2 Pakkoku - Kyungchaung - Seikpyu RBE列車

139UP Gangaw - Kalay 客車列車
140DN Natchaung - Kalay 客車列車

・現在は運行されていない列車
61UP Yangon - Bagan - Pakkoku (2013/11/24~2016/7/21)※現在はバガン止まり、客車列車
62DN Pakkoku - Bagan - Yangon (2013/11/24~2016/7/21)※現在はバガン始発、客車列車
135UP Mandalay - Chaung-U - Pakkoku 混合列車?→RBE列車
136DN Pakkoku - Chaung-U - Mandalay 混合列車?→RBE列車
Bagan1 Bagan - Pakkoku (2016年度の乾季に運行)※61UPに接続、RBE列車
Bagan2 Pakkoku - Bagan (2016年度の乾季に運行)※62DNに接続、RBE列車

tha1001UP Hanthawaddy - Natchaung - Kalay (~2017/12/19) カーヤター ※Hanthawaddyにて139UPと接続する形で運行された。
tha1002DN Kalay - Natchaung - Hanthawaddy (~2017/12/19) カーヤター ※Hanthawaddyにて140DNと接続する形で運行された。
tha1003UP Natchaung - Kalay (~2017/12/19) カーヤター 
tha1004DN Kalay - Natchaung (~2017/12/19) カーヤター 
tha1007UP Mwyat Lel - Hanthawaddy - Natchaung - Kalay カーヤター
tha1008DN Kalay - Natchaung - Hanthawaddy - Mwyat Lel カーヤター

4.施設・沿線風景

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パコック駅。

Pakkoku Station

パコック駅に到着した121UP.

DF2006

 

Myaing駅に停車する129UP.
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Zee Pyar駅に停車する129UP.
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Zee Pyarを越えたあたりから、徐々に山間部に入ってゆく。景色の変化を楽しみたい。

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ヂョー駅の開通記念碑。ガンゴーまでは付近の幹線道路から民間バスでの移動が可能である。

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ヂョー〜ガンゴー間はPonnya Taungトンネルで結ばれていた。並行する道路沿線には、トンネル両端付近に看板が設置されている。

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ガンゴー駅に到着した140DN.
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ガンゴー駅南には踏切があり、一日一回の列車の方向転換の際には10分程度通行止めとなる。
D1B303

ハンタワディ駅で方向転換中のD1B.

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カレー駅を発車する直前のtha1004DN.
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パコック駅を発着する列車では、貸本・新聞と飲料水の車内サービスが提供されている。

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<参考資料>
・ミャンマー国鉄公式サイト(路線開業日一覧)
・New Light of Myanmar 


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