LBTX900
LBTX900は、ヤンゴン環状線並びに近郊区間にて最も有名な客車である。
本グループは気動車として1959年の環状線開業時に導入された気動車であり、1970年代後半に客車に改造された。
約60年にわたり、これらの客車はヤンゴンの街の変化を見てきたのである。
LBTX900は旧西ドイツのタルボットTALBOT社で製造された。当初はM-T-Mの3両編成で運行された。
合計21編成がヤンゴン環状線に導入された。(*1)
1970年代後半から1980年代にかけてこれらの気動車は客車に改造された(一部画像投稿サイトでは、80年代前半に撮影されたとされるLBTX900を閲覧することができる。)。
1978年時点では、ヤンゴン地区では13両の気動車が運行されていたという。(*2)
車体の塗装は水色+白帯+青のものが長らく用いられ、2000年代に複数回変更された。2010年代に入り、現行の水色+白帯+緑に変更されている。
ちなみに、ヤンゴン地区で列車を牽引しているDD900形の塗装が、先代のヤンゴン地域色である。
本来3両編成の気動車として製造されたことから、LBTX900には先頭車と中間車の二種類が存在する。
元先頭車は気動車時代の面影をよく残している。庇の下、全面窓のあった位置に室内灯用の配線が伸びている。
側窓上部も埋められ、二段窓からMR標準の下降式鎧窓に改造されている。
車両間には貫通路が設けられていたが、格下げ改造時に埋められた。
RBEや新車の13300番台の導入、10700番台の改造等により、近年LBTX900の運行数は減少している。
同型車4連程度や、他のタイプと組み合わせて運行されることが多い。
(*1)岡田和佐久「ビルマ国鉄電化計画調査に参加して」(P33)
(*2)窪田太郎「長期シリーズ●世界の鉄道めぐり ビルマ」(P131)
<参考文献>
・JICA,YCDC『ミャンマー国ヤンゴン都市圏開発プログラム形成準備調査ファイナルレポート』
・根本茂「ビルマの鉄道 上」、『鉄道ファン』1966年1月号
・『世界の鉄道'77』朝日新聞社
・窪田太郎「長期シリーズ●世界の鉄道めぐり ビルマ」、『鉄道ジャーナル』1982年6月号
・岡田和佐久「ビルマ国鉄電化計画調査に参加して」、『車両工場』通巻409号、1984年
・Myanma Railways Official website
・RBE 「ミャンマーの鉄道ニュース受け売り」