ミャンマー国鉄の蒸気機関車
蒸気機関車はミャンマーの鉄道でも重要な役割を担ってきた。英国植民地時代には、同じメーターゲージのインドと同規格の多種多様な機関車が導入された。
日本占領期には、泰緬鉄道建設も絡んで日本のC56もビルマにまとまった数が持ち込まれた。
戦争によって数多くの機関車が使用不能となった結果、米国製マッカーサー形が戦後間もない時期に導入され、1948年の独立前後には、英国バルカン・インダストリーから汎用機関車YB/YC/YDの各形が輸入された。
山岳地帯においては、ガーラット式機関車GB/GC形が植民地時代より長らく運行されてきたこともと起筆すべき点であろう。
ミャンマーもまた、時勢の変化を受けて1958年以降ディーゼル機関車が導入され、蒸気機関車は徐々に置き換えられていった。
1990年代末においては、蒸気機関車は一部の機関区にのみ在籍し、古びた混合列車を牽引するほどにまでその勢力を縮小した。
他方で、こうした情景を写真に収めるべく世界各地の鉄道ファンが各線区を訪れた。
蒸気機関車の定期列車での運行は、2000年代末にはその終焉が確認されている。しかし、歴史あるインセイン工場では蒸気機関車のレストア作業が継続されており、チャーター用として複数両の蒸気機関車がバゴー、ピュンタザ区にて現役である。
近年は世界的な蒸気機関車愛好家団体が年一回ペースで撮影・乗車ツアーを実施している。
2014年以降は35両の蒸気機関車がMRに籍を置いており、YB/YC/YD形が各9機、ST形が8機である。(出典:MR140周年記念誌 ※ビルマ語文献)
また、静態保存として各地の機関区のみならず駅構内や公園にて余生を過ごす機関車も見られる。
2020年代に入り、首都ネピドーの駅前には新たに6機の蒸気機関車が各地の機関区より集められ、再塗装の上展示されている。
今後はネピドー駅の鉄道博物館設置計画もあり、よりよい環境で保管される機関車も現れるだろう。
本ページでは各所で目にすることができる機関車を紹介する。
ギャラリー
<参考資料>
・Mr.
Florian Grupp's website