DF1300（YDM4）
80両近い車両が在籍するDF1300は、MRの主力機関車の一つである。
インド国鉄より移籍した車両と、ミャンマー向けに新造されたものがあり、いずれもYDM4形という形式を名乗っている。
いずれの車両も三軸台車を二台装備しており、セミセンターキャブの電気式ディーゼル機関車である。
導入初期のグループは当初DF1200番台の続番であったが、1300番に達しつつあったこともあり、後に現在の1300番台へ改番されている。
実際の機関出力は1350馬力であるので、1300番台のほうがより適切である。
2000年代以降マルァゴン・マンダレーなどの機関区に多数が配備され、全国各地の列車を牽引している。
2010年代前半はヤンゴン駅を発着する急行列車の大半が本形式で牽引されていた。
最新型投入前（2017.3）に確認できた配置状況はマンダレー24機、マルァゴン25機であった。この他にも、コーリンにも数機が配置されている。
・YDM4形について
YDM4形はインド国鉄のメーターゲージ線区の主力であった機関車である。
YDMはY（メーターゲージ用）D（ディーゼル機関車）M（客貨両用）の意。
インド国鉄の無煙化の中で1961年にALCOより30両が導入されたのを皮切りに、
その後インド国内の機関車工場にてライセンス生産が行われ、1993年までに約700両が増備された。
なお、DF1332は本家YDM4のラストナンバーである模様。
インド国内のメーターゲージ線区の減少等の理由から、これまでタンザニアやマレーシア（後にカンボジアへ移籍）、バングラディシュ、ベトナム、トーゴ、そしてミャンマーへ多くの車両が輸出されてきた。
・導入時期による分類
2018年現在、DF1300は4つのグループに分ける事ができる。
・2000年代前半にインド国鉄より移籍した車両（現1301〜1310）
・2006年に新造導入された車両（現1311〜1321）
・2010年代に移籍導入された車両（1322〜1361）
・2017年以降新造導入された車両（1362〜1379）
またインド国鉄・ヴァラナシディーゼル機関車工場（DLW）では最新型においてもYDM4という型式名称を設定している。
DF1300諸元
| 形式・車番 |
DF1301~1310,1322~1361 |
| 動力伝達方式 | 電気式 |
| 運行開始年 | 200* |
| 車体 | セミセンターキャブ |
| 軸配置 | Co-Co |
| 運転整備重量(トン) | 72 |
| 連結面間距離(mm) | 15600 |
| 車体屋根高(mm) | 3635 |
| 車体幅(mm) | 2730 |
| 最高速度(km/h) | 96 |
| エンジン形式 | ALCO251-D |
| 機関出力（馬力） | 1400 |
| 最大引張力(kg) | 18935 |
| 定格牽引力(kg) | 16050 |
��DF1301〜1310
2000年代前半に移籍導入された車両。当初はDF1200番台の続番であったが、新型DF1200が製造された頃にDF1300番台へ改番された模様。
前照灯は一灯であったが、多くの車両がKruppや大連の機関車のパーツを利用して二灯に改造されている。
��DF1311〜DF1320（2006年製造）
新造導入されたグループ。車体はこれまでのYDM4をベースとしつつも、構造が異なっている。
全機が自動連結器を装備しており、導入当初はヤンゴンーマンダレー線で同時期に輸出された客車を牽引していた。
��DF1321〜DF1361（2010〜2012年導入）
2010年代前後に多数が増備されたグループ。この頃にはインド国鉄側でも前照灯の交換が行われており、全車両が二灯となっている。
2010年代に入って移籍した車両は、DLWにて抜本的な整備を受けた上で引き渡されており、腰部のLED補助灯などが特徴的である。
移籍時期によって、前面手すりの位置や形状が異なっている。
��DF1362〜DF1379（2017年製造）
鉄道インフラの更新が進められる中で導入された最新グループ。2017年から翌年にかけて、18両が導入された。
車体は�△箸魯妊競ぅ鵑�異なっており、特にキャブ側の前照灯周りが突き出た構造となっているのが特徴的である。
3回に分けて搬入され、2017年後半よりマンダレー機関区の運用に投入されている。
運転台側面窓下に製造銘板が取り付けられており、DF1362よりYDM4 001〜と新たに製造番号が割り振られている。
前照灯周辺。側面のルーバーが、前照灯周りを突き出すような構造となっている。
スカート周り。自動連結器を装備している。またブレーキ系統も複雑化しているようだ。中国製新型客車との連結も、今後見られるかもしれない。
この機関車の最大の特徴である三軸台車も不変だ。
＜参考資料＞
・irfcaの機関車紹介ページ。
・��の輸出時の記事。 （その2）
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