DD1500(KRUPP)

DD1515

Krupp製DD1500は、ミャンマー国鉄初の本線用液体式ディーゼル機関車である。
1964年に運行を開始し、28両が導入された。

         諸元表

出典:Hans-Dieter. Haeuber "KRUPP im Dienste der Electro- und Diesellokomotive. Die grosse Bild- und Textdokumentation"

1.DD1500型の導入と変遷

1960年代のビルマ国鉄では、1958年の幹線用ディーゼル機関車とヤンゴン地区向け気動車導入に続いて、無煙化や動力近代化の推進がその目標であったのは間違いないであろう。1960年代中盤には、旧西ドイツと日本から多数のディーゼル機関車が導入されている。両国のメーカーからは、既に1950年代の時点で鉄道車両の導入実績があったこと、また当時のビルマ政府としては非同盟・中立政策として米・中・ソといった国々とは距離を保って関係を構築しようとしていた事などがその要因として考えられる。
1964年には、Krupp製1500馬力級の液体式ディーゼル機関車が28両導入された。これを皮切りに、同社からは約20年間にわたり69両の機関車が導入されていく事となる。

ドイツ語の掲示板には、製造当初の貴重な写真が投稿されている。塗装は現在と異なり、腰部の灯具も縦に配置されていた(上部中央のものと同じ形状)。

1980年代に入ると、保守部品の払底などから鉄道車両の稼働率の低下が目立つようになる。これを受けた海外からの援助により、当時運行されていた多くの機関車が動力機関をはじめとする抜本的な更新工事が施行される。Krupp製DD1500型の顔つきは、この時期に現在のものに変更されたと推測する。

MR公式サイトによると、2014年現在は16機が稼働中との事。主にモニンMoynとコーリンKWLNに配置されている。

2.各部の紹介(DD1515)

49Up(ミッチーナー→ナバ)出発前の光景。客貨車は手前の二両のみで、貨車主体の編成だった。なかには床に藁を敷いて家畜車とした車両も連結されていた。

台枠に取り付けられている銘板。まったくの別会社であるKrauss-Maffeiの社名も入っているのが興味深い。製造年は1963年との事。

DD1515は、1989年にヤタウン工場で車体更新を受けた。

 


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