ミャンマー国鉄の機関車について

 

ミャンマー国鉄にはディーゼル機関車が382両、蒸気機関車が35両在籍している(2016年現在)。
1958年より無煙化が進められ、2010年代以降通常の営業列車はディーゼル機関車が用いられている。

機関車の整備工場はヤンゴン市内のインセイン(ISN)、マンダレー郊外のヤタウン(YUG)の二か所で、前者は蒸気機関車並びに電気式ディーゼル機関車の大半を、
後者は主に液体式ディーゼル機関車の整備を担当している。
両工場では1990年代頃から動力車の製造も行われており、インセイン工場ではアルストム製の機関車をベースにした本線用機関車が合計9両製作されている。
ヤタウン工場でも入換機関車が4両製作された。
中国の車両メーカーの支援によって、ネピドーに機関車工場が建設中である。

各タイプの解説は
こちら 

1.蒸気機関車

YD967

在籍している蒸気機関車の大半は各地の機関区で保管状態にあり、2〜3両程度が動態保存機としてたまに貸切列車等で運行されている。
インセイン工場では何両かの機関車のレストア作業が続けられており、今後も復活する蒸気機関車が出てくる可能性は高い。
上の画像のYD967は2014年頃ツアー形式での貸切列車を牽引していた。2018年現在はバゴー機関区にて、貸切列車用にスタンバイしている。

C0522

また各地の施設や公園などで展示されている機関車も存在し、いずれもおおむね良好な状態を保っている。
画像のC0522は泰緬鉄道建設時に海を渡ったC56で、長らくタンビュザヤの同鉄道記念館に展示されている。

2.ディーゼル機関車

(1)ディーゼル機関車の概要

ミャンマー国鉄では電気式と液体式の二種類が採用されている。
本線列車牽引用としては電気式が主流で、入換機の大半は液体式である。

初めに導入されたディーゼル機関車はアルストム製のDF1200で、電気式であった。
1963年の汽車会社製DC500、翌年のクルップ製DD1500で液体式が導入された。
ディーゼル機関車の運行数が増加する中で、1975年にヤタウン工場がサガインに建設された。

1980年代に入り、保守部品の払底等の理由から、ディーゼル機関車も稼働可能な車両が減少した。
その中で、整備に関する技術的支援が行われ、これまで導入された車両もエンジンが換装された。
2000年代以降も、主に製造から20年以上が経過した車両を中心にエンジンの換装が続けられている。

1990年代に入り、大連や四方といったメーカーからの導入が行われ、今後は中国側からの支援による機関車工場の操業も行われる。
液体式機関車に関してもドイツの支援により、ヤタウン工場の近代化が行われる予定。

(2)導入両数

製造会社 形式 両数
電気式
アルストム DF2000 15
大連 54
四方 20
アルストム DF1600 45
RITES DF1300 79
アルストム DF1200 61
四方 4
インセイン工場 9
アルストム DD900 29
電気式合計 316
液体式
元DD51 D2D2200 2
クルップ DD1500 28
汽車会社 6
クルップ DD1200 8
汽車会社 10
元東方紅21 DD1100 35
元DD51 4
クルップ DD900 33
汽車会社 7
汽車会社 DC500 10
日立 DD500 5
川崎重工 17
大宇 DB300 1
ヤタウン工場 4
液体式合計 170
合計 486

※2018年2月現在。この中には現在は廃車となったものも含まれる。
・軍所有の車両は除いた。
・DF1262は1204より改番された車両なので除いた。 

(3)形式の法則

D  D  9 18
    

〆能蕕"D"はディーゼル機関車という意味。
⊇昭歓瑤鯢修后8DD51のD2D形のみ該当する。
F絢歓瑤鯢修后Cは3、Dは4、Fは6.
で藁録堯蔽碓未HP)上一桁(1000馬力以上は上二桁)を指す。この場合は900馬力クラスという意味。(注1)
ツ未携峭罅

上の例のDD918は「動軸数が4で、900馬力クラスのディーゼル機関車のうち、18両目」という事になる。

※これはあくまで筆者の推測であり、ミャンマー国鉄の公式な見解と一致するとは限らない事をお断りしておく。
また同じ馬力クラスの機関車でも、製造メーカーが異なる場合も多々あり、必ずしも「DD900型」等の総称が正しいとは限らない。
DD900番台にはこの機関車の様にアルストム製のものもあれば、Krupp製のもの、汽車会社製のもの存在する。

※注1:なおエンジンの換装によって、製造当初の馬力数とは異なっているものも存在する。


戻る